バイオディーゼル燃料とは

バイオディーゼル燃料とは

バイオディーゼルとは、菜種油、ひまわり油、大豆油、コーン油などを原材料とした液体燃料のことです。
植物油(廃食油)に、メチルアルコール(メタノール=CH3OH)と、水酸化カリウム(KOH)を規定量投入します。約65度で2時間程度、攪拌反応させた後、20時間以上静置沈殿します。そうするとメチルエステル(バイオディーゼル燃料)とグリセリンに分離します。
植物性食用油は、脂肪酸とグリセリンの化合物ですが、そこに水酸化カリウムを触媒として、メタノール+脂肪酸とグリセリンに分離反応を起こさせるのです。
分離が終わったら、グリセリンを除去してメチルエステルを水で洗浄します。冬場は約45度のお湯を使用し3~4回の洗浄を行います。水と燃料は比重が違うため水の方が重く下にたまります。燃料中の脂肪酸や不純物が水によって洗浄され、不純物の少ない燃料ができあがります。

水洗浄が終わったらのち、減圧蒸留工程に移ります。これはメチルエステル(バイオディーゼル)を減圧(真空状態)した容器で185℃前後まで加熱します。そうするとメチルエステルは蒸発反応を起こし、それを急激に冷却します。冷却することで高純度のメチルエステルが精製できます。

バイオディーゼル燃料のメリット

  • 軽油と使い勝手が同じです。軽油車(ディーゼルエンジン)にほぼ改造なしで給油できます。
  • 軽油同様に含有有害物質の量が少なく、硫黄酸化物(SOx)がほとんど出ません。
  • 植物性の廃食油を使うので廃棄物のリサイクルになります。
  • 地域循環型の構築に貢献できます。
  • カーボンニュートラルの考えによりCO2の排出量を抑制でき、CO2ネットゼロ社会やSDGs実践のツールとして広く展開が可能です。
    例えば、バイオディーゼル活用により100リットルの軽油が不要になった場合、
    100リットル × 38.2MJ × 1/1000 × 0.0686 = 0.26
    つまり、260kgのCO2が削減されたことになります。

バイオディーゼル燃料の精製

油藤商事株式会社では、2003年(平成15年4月)に自社敷地内に精製プラントを建設し、回収した廃食油からバイオディーゼル燃料を精製しています。

1回の反応精製に使用する廃食油は100リットルですが、4台反応機があります。また減圧蒸留機は2台あり、一連の作業に3日を要しますが、毎日工程を処理することができ、設備増強で日量800~1200リットルの精製能力があります。

バイオディーゼル燃料は使用済み天ぷら油(廃食油)を主な原料使用してるため様々な油脂が混入しています。廃食油の性状にもよりますが、おおよそ100Lの廃食油から95Lのバイオディーゼル燃料が精製できます。きれいな廃食油からですと、ほぼ同量のバイオディーゼルが精製できます。
弊社では、2016年より減圧蒸留方式による乾式精製である高純度バイオディーゼル燃料製造装置「VD200」を導入し、既存の方法で精製したバイオディーゼル燃料を圧力と温度を自動制御した燃料成分のみを高純度(JIS規格対応)で精製しています。この減圧蒸留方式の精製機の導入により、高度化してくるディーゼルエンジンにも対応できるように日々精製のクオリティの向上につとめています。

精製途中で副産物であるグリセリンは、低カロリー補助燃料として100%サーマルリサイクル(ボイラーの補助燃料)されています。また洗浄廃水は、弊社が共同開発した凝集剤「バイオフロックAK」で、不純物を吸着し、下水道基準に適合できる排水として、放流しております。

出来上がったバイオディーゼル燃料は、B100として出荷しているほか、軽油に5%混合したバイオディーゼル混合軽油(B5)としてガソリンスタンド店頭で販売するほか、タンクローリーでパイロット給油ほか全国各地へ出荷しています。

資源循環リサイクル

廃食油の回収はありとあらゆる方法で行っています。原則はガソリンスタンド店頭へお客さんが自ら持ち込みして頂くことです。給油のついでに廃食油を持って来て頂きますが、当然自転車で持ってこられる方もおられます。また当社では、灯油の配達なども行っておりますので、その時に灯油タンクの横などに置いてある廃食油を回収しています。また紹介記事などをご覧になって全国から賞味期限の切れた食用油なども郵送されてきます。

廃食油の回収について

廃食油の回収はありとあらゆる方法で行っています。

  • ガソリンスタンド店頭へお客さんが自ら持ち込みして頂くことです。給油のついでに廃食油を持って来て頂きます。また当社では、灯油の配達なども行っておりますので、その時に灯油タンクの横などに置いてある廃食油を回収しています。また紹介記事などをご覧になって全国から賞味期限の切れた食用油なども郵送されてきます。
  • スーパー、公民館、公共施設など回収場所を設置しています。また行政の施設などでも回収を行っております。

回収した廃食油を精製し、バイオディーゼル燃料として活用することで、地域での資源循環リサイクルが生まれます。油藤商事では、この回収・精製・利用のスキーム作りが重要だとの考えから、回収・精製・販売を一貫して展開しています。

廃食油の回収について

バイオディーゼル燃料を展開していくうえでもっとも重要なキーワードは、「エネルギーの地産地消」「地域でつくる地域エネルギー」「ローカルエネルギー」といったものです。

「地域でつくる地域エネルギー」ということであれば、廃食油を集める、バイオディーゼル燃料をつくる、地域に流通させることの一貫性が求められます。
地域住民や事業所から排出される廃食油を効率よく回収し、バイオディーゼル燃料を安定的に高クオリティで精製し、地域の車両や発電機、建設重機やマテリアル利用として使ってもらう地域循環型システムを構築することが重要になってきます。

当社ではこの地域循環型システムの構築に向かって誠心誠意取り組んでいきます。